これからの就職、結婚、退職を見据えた生命保険のあり方

パプルがはじけ、失われた却年も過ぎてくると、さすがに「保険は安心料」では納得できない人が増えてきたのである。それは、ちょうど団塊の世代の人たちが、高度成長期に契約した生命保険の支払期間を終え、退職時期を迎えたタイミングにほぼ一致する。

60歳の定年退職時に生命保険の支払いを終え、そのあとに、病気やけがで亡くなった人の遺族が、思っていたよりもはるかに少ない死亡保険金しかもらえないことにクレームをそもそも本当にあなたには生命保険が必要なのか?付ける事態が急増したのだ。

定期付終身保険だと、家族は5000万円の死亡保険金が、てっきり一生出るものだと思っていたところ、実際に受け取ったのはわずかに200万円だけ。大きな保険金の特約は、すべて保険料支払い終了時で消滅し、終身保険は200万円だけという契約になっていることなど、全く知らなかったという人が非常に多いのである。

しかも、その200万円を受け取るために、それまで支払ってきた保険料の総額は1000万円を超えているとなれば、「安心料だから仕方がない」と割り切れない人が出てきても当然である。

ここに面白いデータがある。生命保険文化センターのデー夕、だが、日本では、世帯主にかけられた保険金の平均は2009年のデータで約1768万円。1997年には約2732万円だったことに比べると、かなり減少はしているものの、それでもつい5年前までは2000万円を超えていたのだ。

しかしそれに対し、実際に支払われた保険金の平均額はわずか173万円でしかない。かけた保険金の10分の1しか支払われない理由は、先ほどの定期付終身保険だ。

多くの人は先に書いたように、定年前後のタイミングで保険料を支払い終わって、大きな保険金の付いた特約がすべて消滅したあとで、少ない死亡保険金をもらうからである。要するに、定年前に人が死ぬ確率など、極めて低いのである。生命保険に加入できる健康な人が、60歳前に亡くなる確率は、おおむね5%前後だといわれる。

つまり100人中何人の人は、自分の葬式代にもならないほどの死亡保険金を人生の最後に受け取るために、せっせと1000万円をはるかに超える保険料を払い続け、これまで保険会社を儲けさせてきたわけである。もう高度成長期のような世の中には戻らない。不景気で給料は下がるし、退職金はもらえるかどうかも怪しい。年金は65歳にならないともらえないし、その金額も減るかもしれない。

それに加えて生命保険金の不払い問題や公的年金のずさんな管理、少子高齢化に歯止めがかからない先行きの不安に、医療費自己負担増、増え続ける日本の債務に、TPP、地震や原子力発電の問題等々、将来に対する不安は、以前とは比較にならないほど大きい現代社会。

こんな世の中で、どうして「安心料」などというわけのわからない言葉1つで、自分を納得させられるものか。そんな人たちが今、顕在化してきでいるのである。この失われた20年の聞に、時代背景が180度方向転換してしまったにもかかわらず、生命保険は、その内容も販売方法も旧態依然のまま生まれ変われないでいる。

そして相変わらず、漠然とした「安心」のための対価として、ものすごい高額商品を、「超長期ローン」で購入する人があとを絶たないし、相変わらず当時と同じ手口で生命保険会社は保険を売っているのである。いや、もっといえば、保険会社の販売の手口は、以前より巧妙に、消費者に不安を植え付けようとする。コンサルティング販売などといって、より論理的に保険を買いたくなるように仕向けてくる。

少子高齢化の先行き不透明な時代、しかも震災や放射能による環境汚染なども相まって、保険会社は消費者に不安をイメージさせやすくなっている。

ここでまた、保険会社の都合に任せて、高度成長期と同じように生命保険に入るのではなく、今こそ自らが積極的に生命保険に対時し、自らの価値観で生命保険を上手に利用する時代へと進化する時である。消費者がきちんと保険の必要性や、保険に対する自分のスタンスを見極めることが、保険会社を進化させる圧力になるのである。保険相談ランキングは保険選びの助けになります。

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